「犬」カテゴリーアーカイブ

異物食べてしまった子犬の話

わかば動物病院の井上です。

さて、今日は(今日も?)異物を食べてしまったワンちゃんのお話です。

「101匹のわんちゃん」の影響で大人にも子供にも人気のダルメシアン。
体は大きくて、好奇心旺盛で、そしてパワフル!
主役はそんなダルメシアンの子犬、ミハエル君。

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そこそこ大きく見えますが、まだ実は生後4か月。
好奇心が強すぎて、なんでも飲み込んでしまう悪い癖が・・・

ペットボトルのふたを飲み込んだかもしれません・・・とのことで来院されました。
レントゲンをとってみると、残念ながらペットボトルのふたは写ってませんでしたが
金属製の金具が映ってました。

なんだか怪しい・・・色々となにかありそう・・・・

催吐処置(無理やり吐かせる処置)では危険と判断し、
飼い主さんと相談して、思い切って胃を切開することにしました。

そしたら中から出てくる出てくる・・・・!
手術しながらビックリ
ミハエル君の胃の中から出てきてものを並べてみました↓

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術後の経過も順調で、食欲や元気もばっちり。

ただ・・・・繰り返さないように、注意しましょう

ソファーから飛び降りて・・・

こんにちは。わかば動物病院の井上です。

不思議なもので、同じ症状の子が続けて来院することって時々あります。
例えば、年末年始はお腹を壊す子が多いです。
普段と違う食べ物を飼い主さんからもらうからでしょうか?

先月はたしか血尿の猫ちゃんが続けて来られた時期もありました。

今週末はソファーから飛び降りて、そのあと足を挙げたまま歩くんです・・・
っという同じような症状の子が3頭続きました。
この時期、ソファーから飛び降りたくなるなにか理由があるのか・・・・

そのうちの1頭、2か月齢のナラちゃん、とーーーっても可愛い
シェルティーの女の子をご紹介します。

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6月に入って何度か下痢の治療で来院されてました。
下痢が完全に収まったらワクチンうちましょうね~って飼い主さんと約束したのが1週間前。

昨夜、ソファーから飛び降りてから歩き方がおかしいとのこと。
病院で歩かせても明らかに歩き方がおかしい!

で、レントゲンンを何枚か撮ってみました。そのうちの1枚。

ナラちゃん

右手の指の骨に2本、ヒビが入ってるのわかりますか?
さっそく右手を固定して、しばらくは運動制限です。
そして定期的にレーザー治療に通院してもらうことになりました。

まだ若い子や成犬でも小型犬の子は動きが激しいにもかかわらず、
骨が細くて骨折することが時々あります。
ナラちゃんの場合は骨が大きくズレたりしておらず、
ギブス固定と運動制限で済みましたが
骨折の程度によっては手術になることもあります。
また、処置が遅れた場合は障害が残ることもあります。

動きが激しい子は特に気を付けてください。
そして、もし痛がるようなことがあればすぐにご来院くださいね。

マイクロチップの話。AIPO?FAM?

こんにちは。わかば動物病院の井上です。

先日、こんなことがありました。
マイクロチップをペットショップで装着してもらった飼い主さん、特に必見です!

うちの病院で犬の診察中の会話の一コマ。(注:飼い主さん→飼、井上→わ)
飼:「マイクロチップって何が登録されてるんですか?」
わ:「飼い主さんのお名前や住所、連絡先などがはいってます。」
飼:「うちの子もマイクロチップ入れているんですが、本当に登録されているのか不安で・・・」
わ:「じゃあ、マイクロチップのIDを読んで、検索してみましょうか?」

マイクロチップを専用の機械で読み込むと、15ケタの番号が出てきます。
それを動物ID情報データベースのサイトから検索してみますと・・・
(注:この検索は動物病院や迷子を捜す特定の機関しかできません)

画面に出てきたのは、「該当マイクロチップ番号は登録されていません」

登録されていないということは、せっかくマイクロチップを埋め込んでいるのに
迷子になったとしても飼い主さんを見つけることができません。
つまり、マイクロチップ装着の意味がないです。
せっかく痛い思いをして装着したはずなのに。

ちょっと気になったので、購入されたペットショップの名前を聞いて、
直接電話して、マイクロチップの登録の状況を確認してみました。

電話の先で、綺麗な声のお姉さんが丁寧に対応してくださいました(^^)
「うちのショップではFAMという団体に登録していますよ。」と。

FAM?
よくわからなかったので、調べてみました。こういう時にインターネットは便利です。

動物のマイクロチップの登録に関しては、動物愛護団体と日本獣医師会から構成される
「AIPO(アイポ・動物ID普及推進会議)」が一括管理していると思っていました。
例えば、迷子の犬がいて、マイクロチップを装着していれば、その子のマイクロチップIDを
AIPOに問い合わせれば、飼い主さんがわかると思っていました。

しかし、実際は少し違うんです。

AIPO」以外にも「FAM」という団体があって、それぞれ別々に登録業務を行っています。
AIPOが94万頭以上の動物が登録されている大きな組織であるのに対し、
FAMはまだWEBサイトですら出来たばかりの新しい団体。一般社団法人になってますし、
電話での対応もしっかりされてましたので、ちゃんとした団体だとは思います。
ただ、AIPOとFAMでは認知度が決定的に違いすぎます。

例えば、迷子のワンちゃんが動物病院に連れてこられて
マイクロチップの番号を読み取ったとしても、ほとんどの病院はAIPOでしか検索しません。
FAMの存在を知らない獣医師がほとんどだと思われるからです。
AIPOに登録されたワンちゃんであれば飼い主さんを見つけることができますが、
FAMにしか登録されていないワンちゃんであれば飼い主さんを見つけることはできません。

ペットショップでマイクロチップを装着してもらった飼い主さん、
もしAIPOに登録されているのであれば、FAMに登録する必要はありませんが、
FAMにしか登録されていないのであればAIPOにも登録することをお勧めします。

どちらに登録をされているわからないのであれば、当院へ連れてきていただければ
調べることができますし、AIPOへの登録も可能です。

この場合、あらたにマイクロチップを埋め込むのではなく、FAMに登録された番号を
AIPOにも登録するだけですから、登録費用は1,000円です。

なお、まだマイクロチップを装着していないワンちゃん、ネコちゃんの飼い主さん、
万が一の場合に備え、マイクロチップの装着をお勧めしています。
当院でも装着可能ですので、お気軽にご相談ください。

装着費用は5,000円(登録料込)になります。
ちなみに、うちの病院で装着した場合はAIPOに登録されます(^^)

犬の熱中症週間予報

週末はまるで真夏のような暑さでしたね・・・
まだ夏の暑さに慣れてないこの時期こそ動物たちの熱中症には特に気を付けましょう!

そうそう、こんなもの見つけました!犬の熱中症週間予報!

熱中症

http://www.anicom.co.jp/stopheatstroke/

ワンちゃんは毛皮を着ていますし、全身に汗腺がなく、
体温を下げるには浅く速い呼吸(パンティング)に頼るしかないため、
人間よりも体温調節が難しいのです。

また、アニコムの調査によると、熱中症は散歩中やドッグランで起こることが48%、
リビングでの発生が44%となっています。
室内でもエアコンをつけて、温度管理、水分補給に気を付けてください!
太っている子、高齢の子、心臓が悪い子たちは要注意ですよ!!!

 

歯のケア、していますか~?

こんにちは。わかば動物病院の井上です。

鳥栖で2月に開院して、診察を日々やってて思いますが、
愛犬の歯のことで悩まれている飼い主さんって意外と多いですね。

「うちの子、歯石が多いんです・・・」
「口臭が気になるんです・・・」
「ぜんぜん歯磨きをさせてくれなんです・・・」 etc…

歯ブラシで歯磨きをキチンとできると一番良いと思いますが、
残念ながら、嫌がる子がほとんどです。
そして、なによりも飼い主さんが長続きしない(笑)

ですから、当院では歯ブラシを使ったケアは最初からお勧めしていません。
長続きしないと、意味が無いですからね。
私は飼い主さんとお話をして、長続きしそうなケア方法をお勧めしています。
歯磨きガム、歯石を落としてくれるオヤツ、マウスウォッシュ・・・・

そして、ケアするよりもまず歯石を落としたほうがよい、抜歯の必要がある場合は
歯の処置をすることもしばしばありますので、ちょっと一例ご紹介します。

トイプードルのピースちゃん、4歳。
処置のビフォーアフターで比べてみましょう~。

では、まず処置前。
奥にいけばいくほど歯石がひどく、白い歯の大部分が隠れてしまっています。
飼い主さんには申し訳ないのですが・・・口臭もきつい!
しかも、犬歯の隣に、乳歯が残っているの、わかりますか?
歯石にスッポリと囲まれてる細長い歯です。

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これは、「乳歯遺残」と呼ばれるもので、小型犬種によくみられます。
本来は6~7か月齢頃までには抜けるはずのものですが、
抜けないままに残ってしまい、写真のように歯石の原因となります。

それでは、処置後。
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はい、歯石をとって、乳歯も抜歯してます。全体的にピカピカです!
口臭も全くありませよ!

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いくらお金をかけて歯の処置をしても、
その後なにもケアしなければ数か月で元の通り歯石が付着してしまいます。
そのため、処置後の自宅でのケアをしっかりと写真を使って説明しています。

口は消化器系の入り口。健康は口からとも言います。
最近は、歯石があると、そこにある細菌が心臓を悪くするとも言われています。

歯が気になる方、まずはご来院をお待ちしています。

去勢手術・避妊手術をお考えの方に!

去勢手術・避妊手術をお考えの方にお知らせです。

いま、当院で去勢手術・避妊手術をされたワンちゃん・ネコちゃんに
お勧めのフードをプレゼントしています。

しかも、サイズはワンちゃん1kg、ネコちゃん500gです

去勢手術・避妊手術をするとどうしても太りやすくなります。
そのため、カロリー控えめで、さらに歯石がつきにくく尿石症になりにくい、
一石三鳥のフードになります。

手術は予約制になってますので、まずは当院にご来院ください!

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こちらのほうも参考にどうぞ~。
去勢手術・避妊手術について

15歳の治朗君、手術頑張りました~!

日曜日に診察をしていると、他院がお休みということもあって
急患の子もよく来院されます。

今月初めの日曜日は「昨日からおしっこが出ないんです・・・」と電話がありました。
おしっこが出ないのは、場合によっては命にかかわることもあるので、
急いで来院してもらうことに。

連れてこられた15歳のパグ、治朗君。
過去に前立腺肥大になったことがあり、エコー検査では膀胱はパンパン、
レントゲンでは脊椎症も重症・・・

カテーテルという細長い管を使っておしっこを出して、レーザー等の治療に
ほぼ毎日のように通ってもらいました。
治療の甲斐あり、少しずつ自分でおしっこ出来るようにはなりましたが
それでも量は少なく、同時に便も出にくくなっていたとのこと。

前立腺肥大が原因と思われたので、病院から思い切って去勢手術を提案してみました。

前立腺肥大とは精巣からのホルモンが原因で前立腺が大きくなる病気で、
高齢の雄犬に多く、大きくなった前立腺が周囲の尿道や腸を圧迫して
排尿困難、排便困難が見られます。

治療方法は、前立腺肥大の薬を飲ませるか、去勢手術ということになるのですが、
他の病院ですでに薬を飲ませており、あまり改善が見られなかったのこと。

血液検査で軽度の貧血も見られ、年齢的にも非常にリスクの高い手術にはなりますが
これから先ずっとおしっこが出ない、便が出ないというのを繰り返すよりは
去勢手術をしたほうが良いと、獣医師の立場から判断しました。

飼い主さん、かなり悩まれたとは思います・・・・。
しかし、最後は家族の皆さんで話し合ってもらい、去勢手術を実施することになりました。

いつも以上に緊張する手術でしたが、問題なく終わり、
心配していたよりも術後の麻酔の覚めも早く、15歳とは思えないほど元気!
手術の次の日にはさっそく大量に自分でおしっこを出し、食欲も旺盛

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写真は退院時の治朗君。実物の治朗君は写真よりももっと可愛いのですが、
動物の写真って撮るのは難しい!(撮ったことがある人はわかりますよね!?)
撮影後、優しそうな家族の皆さんに囲まれて、元気に帰っていきました

避妊手術や去勢手術は単純に妊娠させないためだけの手術ではありません。
女の子であれば乳腺腫瘍や子宮・卵巣の病気の予防、
男の子であれば精巣の腫瘍や前立腺の病気の予防の効果もあります。

当院では健康な子であれば生後5か月齢以降から手術をすることができます。
病気になってからの手術ではどうしてもリスクが高くなってしまいますので
大切な家族の一員の健康のために、ぜひ早めにご検討くださいね。

フィラリア症を発症した犬が来院しました

昼過ぎ。血尿が出るんです・・・と来院のあったコーギー。

ちょうど院内でおしっこをしたので見てみると、たしかにイソジンのようなどす黒い色の尿。
呼吸は荒く、元気もない、血色も悪い。一目見て、明らかに様子がおかしい。

フィラリア検査キットとエコーで検査してみると、
残念ながらフィラリア陽性・・・

飼い主さん、外で飼っているけれどフィラリアの予防はしていないとのこと。

残念ながら、今日、明日にでも危ないくらいの状態であることを伝え、
今、当院で出来る限りの治療を施して、
継続して連れてきてもらうことになりましたが・・・厳しいかもしれません。

フィラリア予防に関しては、時には口うるさく予防啓発することがあります。
なぜなら、これは投薬さえしっかりしていれば、ほぼ100%予防できる病気であり、
いったん発症してしまうと治療がとても難しく、
九州の田舎ではまだまだ多い病気だからです。

これからフィラリア予防の季節になります。
フィラリアの予防だけは、最低でもこのフィラリアだけは予防してください。
愛犬のために、よろしくお願いします。

怖い怖いチョコレート中毒

昼過ぎに焦った声で、聞き覚えのある男性からの電話がありました。

先日もお腹を壊したばかりのまだ1歳の犬のシルクの飼い主さん。
「チョコレートを食べて吐いたけど、どうしたらよい?」とのこと。

とりあえず急いで来院してもらい、よーく話を聞いてると・・・・

食べたのは40個入りのチョコレート全部!しかも、見ての通り、なんと箱ごと!!!

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食べた後から自宅で嘔吐し、病院でも嘔吐してました。

ここで簡単にチョコレート中毒について説明しますと・・・
チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が原因で起こる中毒で、
下痢・嘔吐などの消化器症状と興奮、不整脈などを起こして
最悪の場合、亡くなってしまうこともある怖い病気です。
また、残念ながらこの「テオブロミン」に対する特効薬はありません。

動物病院で働いていると、年に数回はチョコレート中毒について相談を受けます。
ほとんどの場合は食べた量が少なかったりで大事に至らないことが多いのですが、
今回は食べた量が違います。

一晩入院して、治療をしながら経過観察していましたが、
ひどい下痢、そして嘔吐、それから異常なほどの興奮・・・

ただ、幸いそれ以上の症状は見られず、今はすっかり元気になりました。
元気になったところを記念にパチリ。

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今後、気を付けましょうね~!

話は変わりますが、わかば動物病院は早いもので開院から1か月を迎えました。
おかげさまで少しずつ患者さんも増えてきて賑やかになってきてます。
引き続きこれからもよろしくお願いします。

♪フィラリア予防薬キャンペーン実施中です♪

こんにちは!わかば動物病院の井上です。
だんだん暖かくなってきましたね。今日はキャンペーンのお知らせです。

キャンペーン第1弾!
フィラリア予防の時期にはちょっと早いですが、フィラリア予防のお得なキャンペーンをやってます!
消費税が上がる前の3月中に、ぜひ病院へお越しください。
体重やお薬のタイプによって金額は変わりますので、詳しくはお問い合わせくださいね!
飼い主さんのニーズに合わせて様々なタイプの薬を準備しています。

キャンペーン第2弾!
時々問い合わせもありましたが、3月24日(月)よりフィラリア予防の注射を開始します。
これは、1回注射をすれば効果が12か月継続するという優れもの。
1か月に1回の投薬をわすれがちな飼い主さんや、薬を嫌がる子の場合にお勧めします!
ただし、1歳未満の若い子やアレルギーの子は注射できないことがありますのでご了承ください。

せっかくなので、この「フィラリア症」について少し書きます。

別名「犬糸状虫症」とも呼ばれるこの病気、その名の通り、
白い糸状の虫が心臓に寄生してしまうとても怖い病気で、蚊が媒介します。
残念ながら九州地方はまだまだこのフィラリア症はとても多く、
感染してしまうと腹水が貯まってお腹がパンパンに腫れたり、
咳をして血を吐いてしまったりして、最終的には亡くなってしまいます。

お恥ずかしい話、僕が小さいころに実家で飼っていた犬も
フィラリアに感染してしまっていました。
予防をしてあげなかったこと、今でもすごく後悔しています。

こんな後悔をしなくていいように、
幸せな人生(犬生?)を送れるように、
犬を飼われる飼い主さん、フィラリアだけは必ず予防してください。