こんにちは(*´ω`*)
早いもので、今年も残り2カ月を切りました
まだまだ油断はできませんが、新型コロナウイルス新規感染者も減り、少しほっとしますね
皆さんは、体に気を使って食事を『グレインフリー』もしくは『グルテンフリー』にしていますか
最近、市販のペットフードにもこの『グレインフリー/グルテンフリー』と表記された商品をちょこちょこ見かけます。
グレインフリーとは、穀物を原材料に使用していないということを指します
グルテンフリーとは、麦類全般に含まれているタンパク質の一種が使用されていないという意味なのですが、最近は麦類が入っていないという意味で用いられることもあります
ではこのグレインフリー/グルテンフリー、どんな子におすすめかと言うと・・・
穀物に対して食物アレルギー体質の動物
穀物に対して食物アレルギーの可能性がある症状がある動物(皮膚トラブルや下痢)
になります‼
診察で、今食べているご飯は何ですか?と尋ねると、『〇〇(メーカー名)のグレインフリーを・・・』、『ネットでグレインフリーのを見つけたので、それを・・・』と、最近よく耳にします
更に、なぜそのご飯にしようと思ったのですか?と質問すると、ほとんどの方が『体に良さそうだから』、『人でも流行っているから』と答えられます
では、本当に体に良いのか・・・・・・・・・
答えは、『基本的にメリットはなく、場合によっては避けた方が良い』 と当院は考えています
先ほどにも書いたように、穀物に対して食物アレルギーの動物(食物アレルギー検査をした動物)や、その可能性がある症状の動物には、食べさせるメリットはあります
しかしながら、穀物を制限する代わりに肉類や豆類が多く含まれることによって『高タンパク』、『高リン』というデメリットに繋がってしまう場合があります
人では、ダイエットや筋肉のためにと低糖質・高タンパク食品がたくさん出回っています(私も体重が増えたときは意識して買ったりしています)
グレインフリー/グルテンフリーのフードは炭水化物の割合が少ない分、タンパク質(肉や魚)の割合が高くなっている場合があります
高タンパクは、成長期の動物やスポーツドッグなどにはおススメですが、腎臓病や尿石症の動物はタンパク質を制限する必要があります。特に高齢の動物は、血液検査で腎臓の数値が正常だったとしても、腎臓病が隠れている可能性があるので、高タンパクは避けたほうがいいでしょう
リンとはミネラルの一種で、肉に多く含まれています。たくさん摂取してしまうと、カルシウムとのバランスが崩れてしまい骨が弱くなったり、尿石症へのリスクが高まったり、腎臓病を悪化させることがあります
またアメリカでは2018年に、グレインフリーフードによりタウリン欠乏症になり、拡張型心筋症という心臓病を引き起こすという報告も上がっています
(※日本での報告は今のところありません)
当院に来る尿石症の子たち、なぜかネットで買ったグレインフリーフードを食べている子が多いです
続けて多いのが、下痢 本来なら、お腹の調子を整えてくれるはずが、食物繊維が豊富すぎるせいか下痢になってくる子が目立ちます
どうしても、『獣医師推奨‼』と書いてあると体に良いと思い込み、購入を決めてしまいがちです
ですが、獣医学会やセミナー、講演会等で『グレインフリー/グルテンフリーにしましょう』という議題は、実はほとんど発表されていません
健康な動物が、グレインフリー/グルテンフリーのフードを食べても、何か体に良い影響がある訳ではありません
もし、うちの子のフードは合っているのか?と悩んだときは、いつでも気軽にご相談ください
ちなみに井上院長は、『俺は肝臓が悪くなって、医者にお酒をやめるように言われても、絶対にやめない‼‼』と言い張っていました