こんにちは(*´ω`*)
9月も後半に入ろうというのに、まだまだ日差しがキツイですね
秋はあるのか・・・そしていつから冬が来るのか(冬は嫌いです)
さて今回は、男性にはちょっとばかし耳が痛い(かもしれない)症例のお話です
途中でグロテスクな画像が出てきます。苦手な方はご注意ください
約10年前、当院が開院して間もない頃やって来た、当時1歳の柴犬のソラ君
春の予防接種に来院するくらいで、ほとんど大きな病気をした事がない健康優良犬です
そんなソラ君が先日お父さんと一緒にやって来ました
「睾丸の大きさが左右で違う!」とのこと。
ソラ君は去勢手術をしていません。過去におススメした事はありましたが、手術はしないと言う選択でした。
診察室で確認すると、確かに片方の睾丸が倍以上の大きさに
触って痛がる様子はありませんでしたが、明らかに異常な大きさになっており、これは精巣腫瘍が強く疑われます(痛みを伴う場合もあります)
そもそも・・・
男の子の睾丸(精巣)は、初めはお腹の中にあり、生後数週間で体の外に出てきます。
生後8週齢程経っても出て来ず、お腹の中に残ったままの場合は、停留精巣、陰睾(いんこう)または潜在精巣と診断されます。
お腹の中に精巣が残ったままだと、将来腫瘍になってしまう率が高くなります!(猫はほとんどありませんが、犬では正常の13倍と言われています。)
また、正常に体の外側に出て来ていてもソラ君のように大きくなったり腫瘍化する事が稀にあります
(もっと詳しく知りたい!と言う方は、井上院長が優し~く丁寧~に教えてくれますよ)
そして、腫瘍を疑う場合、治療の第一選択肢は摘出手術です。
ソラ君の場合はお腹の中ではなく、体の外側での出来事なので通常の去勢手術での摘出となり、手術時間が短時間で済みます(だいたい10分~15分程度)
しかし、短時間でも全身麻酔です!ソラ君はすでに12歳まずは血液検査を行い、麻酔に耐えられる身体かどうかを調べました💉
さすが健康優良犬ソラ君、血液検査の結果は100点満点(羨ましいです)
手術の内容、去勢することのメリット・デメリットを説明し、後日手術する事に
↓↓↓写真は摘出した実際のものです↓↓↓
大きさが違うのは一目瞭然ですね
当院では、以前から去勢手術・避妊手術をおススメしていますが、やはり「麻酔が怖い」、「メスを入れるのに抵抗がある」というお声を聞くことがしばしあります。
もちろん強制はしませんし、手術する上でのメリット・デメリットをお話しし、最終的に飼い主さんに決めていただきます
ただ、今回のソラ君のように、去勢・避妊手術はしない!と選択し、高齢になって手術せざるを得なくなった・・・という症例は少なくありません
いくら血液検査の結果が良くて、元気で体力があったとしても、高齢での手術は、どこの動物病院でも緊張度が倍増すると思われます
特に、去勢・避妊手術は若いうちの実施をお勧めしていますので、気になった方はいつでもご相談くださいね
下は、術後の傷の確認に来たソラ君
笑顔がとってもキュートです(本当は早く診察室から出たくてソワソワしてました(笑))
よく頑張ったね
ちょっと長くなってしまいましたね
拙い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです