飲み過ぎにはご用心!

こんにちは(*´ω`*)

制限のないG.W、皆さん満喫できましたか?

色々な声はあるかもしれませんが、たまには息抜きも必要ですよね

 

そんなG.W最終日、当院に一本の電話が

『犬がグッタリしています!さっきケイレンも起こしました。熱中症かもしれません‼』

トイプードル、シュウくんのお父さんからでした。

ケイレン中に身体を動かすのは危険です電話の時点でケイレンは治まっているとのことだったので、すぐに病院に連れてくるよう伝えます

 

シュウくんは9カ月の去勢済みの男の子

犬種と月齢から、低血糖も推測されるので、検査の準備をして待ちます。

そして来院。シュウくんの状態は...

 

ガタガタと震えてはいるが、尾を振るくらいの意識はあり。

ボタボタと異常にヨダレが垂れている。

呼吸は速いが、ハァハァといったパンティングはみられない。

 

まずは体温を測ります。犬の平均体温は38.5℃です。

シュウくんは37.5℃・・・・・・あれ?むしろ低い

『保冷材で冷やしながら連れてきました』と飼い主さん

熱中症を疑う時の対処としては間違っていません

次に血糖値を測定。結果は正常値よりも高めで、低血糖ではありません

では、いったい何だ

 

飼い主さんに、体調が変化する前の様子を確認してみると

①朝の10時頃に30分くらい散歩に行った

②散歩から帰ってきて、お婆ちゃんとお庭の木陰で日陰ぼっこ

確認の最中も、シュウくんのヨダレは止まりません

更に詳しく聞いていくと、シュウくんはもともと何でも食べてしまうようで、散歩中も拾い食いをしてしまうとのこと

拾い食いをしたことによる中毒かはたまたお婆ちゃんがお庭で何か食べさせたか

『他に、いつもと変わった様子だと、子どもが水をたくさん飲んだと言っていました。ふだんはそんなに飲まないのに、ペットボトルの半分は飲んだみたいです。』

ペットボトルの半分というと、500mlの半分?・・・ん?250mlを一気飲み?!!!!!

シュウ君の体重は3.1kg。

犬の1日の飲水量は1kgあたり100mlまでです。これを越していると、何かしらの病気の可能性があります

 

シュウくんはこのまま預かり、詳しく検査をすることに。

血液検査の結果、肝臓 腎臓は異常なし

しかし、電解質のナトリウム(Na)が低くなっています。

低ナトリウム血症です(またの名を水中毒とも言います)

 

シュウくんは1日分のお水を一気に飲んでしまったことで、ナトリウム(Na)が希釈され、体液の濃度が急激に薄まってしまい、ケイレン 震え ヨダレといった症状が起きていたのです

他にも意識障害、不整脈などさまざまな症状も起こします

 

夏は熱中症にならないよう、小まめに水分を摂りますよね

その時に、「塩分も一緒に摂りましょう!」と一度は目にしたり耳にしたことがあるかと思います

これは、熱中症対策で低ナトリウム血症にならないようにするためだったのです

夏場になると、塩あめも売ってあったりしますよね

 

原因が分かったシュウくんは、点滴をしてナトリウム(Na)の補正を行い、数時間で回復低かったナトリウム(Na)も正常値に戻り、退院しました

 

これから暑くなってくると、熱中症に気を付けないといけません

だからといって、低ナトリウム血症になったら怖い心配だから水は与えずにお留守番してもらおう!は間違いです

部屋の温度を冷房で調節し、水は飲みたい時に飲めるようにしておきましょう

 

時々、『うちの子、ぜんぜん水を飲まないんです、、、』という質問をされます。

のどが渇いてない時は、人だって飲みませんよね動物も同じです

しかし、いつも以上に水を飲む場合は病気のサインだったりするので、気になる時はいつでもお問い合わせください

 

蒸し暑くなってきて、井上院長1人頭から汗を大量に流して診察しています

電解質大丈夫かな?・・・・あ、夜の晩酌で調節してるのか

お腹を気にして、ビール→赤ワインにシフトチェンジしたみたいです

これ以上載せると、ボーナスに影響が出そうなのでこの辺にしておきま~す(笑)