犬の帝王切開

こんにちは。わかば動物病院の井上です。

動物病院は小児科から外科、内科、皮膚科・・・そして産婦人科まで兼ねていますので
妊娠診断から出産に立ち会うこともしばしばあります。
犬は安産だといわれていますが、実は難産の場合も多く、
特に小型犬では帝王切開を行うことも少なくないため
非常に神経を使う分野でもあります。

先日はトイプードルのミルクちゃんが妊娠診断に来てくれました。
レントゲン写真を撮ってみると、お腹の中の赤ちゃんは1匹のみ。
(写真は一番下に載せています。)
この場合、赤ちゃんがお腹の中で大きく育ちすぎてうまく産道を通れないことが多いため、
自然分娩の場合は難産になることが予想されます。

飼い主さんとじっくり話し合った結果、ミルクちゃんは帝王切開をすることになりました。
帝王切開は何度経験しても、ものすごく緊張しますが、
その分、やりがいもものすごくある手術です。
今回も、手術中に取り出した赤ちゃんの泣き声が聞こえたときには
やっぱり嬉しかったですし、新人の看護師さんは感動して目に涙を貯めてました(笑)

しかし、帝王切開の場合は母犬に”母性”が芽生えにくい場合があります。
このミルクちゃんも出産直後は子供に全く関心を示しませんでした。
最初の数日は母乳も出なくて、飼い主さんは2時間おきに哺乳瓶で
ドッグミルクをあげてもらいました。

でも、日を追うごとに少しずつ母性が芽生え、今ではりっぱなお母さんになりました!
飼い主さん、本当にお疲れ様でした
写真はミルクちゃんと、とっても元気で食欲旺盛な10日齢の男の子です。
顔も可愛いでしょ

IMG_0405 (2)_R

このままスクスクと成長してほしいものです~♪

最後に、レントゲン写真です。
どこに赤ちゃんが写っているかわかりますか???
teiousekkai_R